manie's blog

@cz500c

あの人もしかしてうつかな、と思ったら

私の体験なので、単にひとつのケースです。

 

助けたいなら、うつなのか判定出来るスキルが必要です。そして、自分も連鎖うつになる可能性があるので、自己診断も必要です。判定スキルがないと、険悪な関係になったり、別のトラブルが起きることがあります。

 

こりゃうつだな、となったらできるだけ強制的に心療内科のある病院へ連れて行ってください。いろいろ文句を言って拒否しますが、とにかく病院です。その際、確実に「あなたはうつ病です」の診断書を入手することが大事です。少なくとも、「抑うつ症状があると診断しました」ぐらいはもらいましょう。

 

病気が確定したら、大義名分を持って問題を解決出来ます。

 

 

うつ状態では、あらゆることに悲観的です。ただひとつ、「私はこのままで大丈夫だ」という希望を強く持っています。特に根拠はないです。根拠がないことを認識した瞬間、「死ぬ」スイッチが入ります。

 

スイッチを入れる言葉は「頑張ろう」などが有名です。現状を変えていこうと促す言葉は、ほとんど地雷だと思ってよいです。うつ状態の人にとって、現状以外はすべて絶望に包まれています。現状からすこしでもズレることは、すなわち死を意味します。

 

うつ状態の人は、崖っぷちの落ちる寸前の場所にいます。助けようとして触れただけで、ほんの少し崖下に傾きます。そしてそのまま落下することを止められません。

 

そんなわけで、テレビでよくみる「うつの人を助けよう」「自殺を減らそう」という運動は、ほとんど逆効果です。仕組みから言って助けてほしいというサインはありません。むしろ頑に「現状を維持」するし、必要なら現状を隠し通します。

 

 

うつの原因は環境です。本人の素質(?)も影響しますが、他者からの否定的な評価の連続による自己否定の連続が原因です。お前が悪いお前が悪いと言われ続けているように「感じる」環境で、うつになります。

 

私が体験した職場での、良い環境と悪い環境の違いはシンプルなルールです。

 

「ひとりがひとり分の仕事をする」

 

このルールに従うなら、100枚の書類を4人で書き上げる仕事があった場合、ひとりがやるべき仕事は25枚です。すごく当たり前に感じます。

 

ところがルールに従わない職場環境がしばしば現れます。

 

25枚書き上げたら、終わっていない書類の作業を追加で行うのです。するとどうなるでしょうか。

 

まず書類を1枚取り、「簡単そうな書類ならダラダラと処理し、難しそうなら突き返して次の書類に交換する」戦略が有利です。これは能力の低い人ほど選別が鋭敏です。能力の低さが「難しさ」を鋭敏に感じ取れるからです。これをダラダラ戦略と呼ぶことにしましょう。

 

ここで他者からの否定的な評価が登場します。

 

ダラダラ戦略を取れば、多くの枚数を短時間でこなすことができます。そして、手間のかかる難しい書類を書いている人に対して「あなたは他のメンバーより作業が遅い」と指摘出来ます。さらに「あなたが遅いから他のメンバーが苦労している」と付け加えます。仕事全体の遅れについて「あなたが頑張れば解決します」と言うかもしれません。この3つの指摘は完全にブーメランとなる自己紹介ですが、言われた方は気づきません。

 

ダラダラ戦略は、ひとりでも真面目くんがいれば機能します。そして真面目くんが少なければ少ないほど、むしろひとりしかいない時に、最も効果的に機能します。

 

これが真面目な人がうつになりやすい原因です。

 

真面目くんが頑張っても頑張っても仕事はあとからあとから湧いてきます。それはダラダラ戦略によって隠された仕事の押しつけです。報酬と時間の搾取です。しかし合法です。脱法殺人です。

 

たまたま運がよくて、私は死ぬことなく今も生きています。

 

私を殺そうとしたアイツ、などと思ったこともありました。今はアイツが単に能力が低く、その欠点をカバーするために発達した別の能力があると思うようになりました。私にはアイツが持っていた能力がなかったのです。

 

だから私はもうサラリーマンができないと思いました。

 

私は仕事をしているフリができません。フリの演技よりも、仕事をそのままこなす方が圧倒的に楽です。フリの演技は単調で退屈で、むしろ苦痛です。

 

私がダラダラ戦略を取った方が有利になるような職場へ入ることが出来なかったのは、私の能力不足と人生の選択の失敗です。誰かを不幸にするかもしれないと思うと、これでもいいかなと思います。

 

だから別の道を選びました。毎日たいへんですが、充実しています。