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manie's blog

@cz500c

ロトの呪い

俗にいうロトバイアスという言葉を覚えた。ロトくじのバイアスのことである。

 

みずほ銀行 宝くじコーナー:ロト7

数字選択式全国自治宝くじ - Wikipedia

 

ロトバイアスとは、ロトの番号を自分で選ぶことで「より当たりやすくなる」と感じることである。迷信である。「ロトの当選賞金が単純減少する」ことが証明となるが示現していない。要するに番号なんかどれを選んでもいいのである。1,2,3,4,5,6,7と毎回選ぶのもそれらしい理論で選ぶもの同じなのである。ナンバーズも同様である。

理屈は簡単である。たとえばひとつだけ数字を選んで当てるロト1というくじがあったとしよう。しかも選べる数字は1と2しかない。さてどうするか。1の次は1が出る?1、1、1、と続いたら1は出尽くしで2が出る?出現率が同じなのだから1の次は2で2の次は1か?当たりやすい番号はない。つまり選んで有利な数字もない。そんなことはだれだって分かる。だが分かるまでにはいろいろ試してみるしかない。ずっと1を選んでみたり1と2を交互に選んでみたりして「全然いみねーじゃん」と納得するまではいろいろ試行錯誤してしまう。人間だから仕方がない。

選んでも無駄という事実は1と2と3が選べるとしても同じである。ロト2やロト3でも同じである。ということはロト7で数字選びに四苦八苦するのは無意味である。非常に単純な数学的帰納法で証明できる。だがロト7くじを買うときに「1234567」を買う人はほとんどいない。なぜなのか。

 

人間が神秘を感じるからである。意味のない数字の羅列に意味を見出してしまう機能を持っているのだ。

  • 奇数と偶数はバランスよく選ぶべきだ。
  • 小さい数字と大きい数字をバランスよく選ぶべきだ。
  • 前回出た数字は次は出ないから選ぶのをやめよう。
  • 最近出ていない数字はそろそろ出るかもしれないから選んでおこう。
  • 連番を入れるのはやめるべきだ。でも時々ならいれてもいいかも。
  • 選んだ数字の間隔が同じだとまずい。でもちょっとそろえたほうがいいかも。

ロトバイアスは神秘的なものが何かを考えるもとになる。神秘的な何かは、ほとんどの場合迷信である。

 

株取引におけるロトバイアスは何か。そして株の神秘とは何か。何を選ぶ作業が無意味なのか。そもそも株取引で「選ぶ」ものは何があるのか。素人は3つあると信じている。

  • 投機する銘柄・セクター・市場を選ぶ
  • 投機するタイミングを選ぶ
  • 買いか空売りかを選ぶ

これらの選択で利益を増やせると考えるのは、ほとんどロトバイアスである。その証明は簡単である。ロト1と同じなのだから。

 

私自身が素人であるから「買いだ!と思ったら売る!」とか「建設セクター来るはず!だから水産セクターを仕掛ける!」などとやってみたが、負けるのは変わらなかった。多少改善したが、しばらく続けるとさらなる悲劇に遭った。いろいろ試したがやっぱり負けた。要するにどうやっても負けた。無意味であった。

逆に考えると、勝てるトレーダーは銘柄・セクターやタイミングや買いか売りか「ではない要素」を選んで勝っていることになる。それは何か。素人に見えない判断とは何なのか。

 

そうである。素人が見落としている判断が株取引にはたくさんあるのだ。

 

素人は株を買う(空売りする)準備に力をかけすぎなのだ。その証拠に「どの株を買えばいいの?」と思いながら初めての株取引を始める。買った株は誰かに売りつけなければならない。セクターを選ぶ判断と同じぐらいセクターを選ばなくなる判断も必要になる。極端な場合、「買った途端に売る必要が出てくる」ことだってあるのだ。素人にはこれができない。セクターを選んだら・買いタイミングと思ったら・実際に買ったら、あとはお祈りして儲かれ儲かれと念じるばかりで何も考えていない。

 

真剣に株を買うことと、真剣に誰かに売りつけることは同等の意味がある。どちらも重要だ。この時点で素人とプロは2倍の差がつく。

 

素人はひとつのトレードに命を懸ける。プロは永遠に勝ち続けるからひとつのトレードに固執しないし、する必要がない。ダメならすぐ撤退するし儲かるときは安易に引かない。攻めたり守ったりのバランス全体に気を配る。素人にはそれができないしやろうともしない。

 

最初はいろいろ試してみるが、ほとんどすべてが無駄だと分かる。無駄だと分かってから何が無駄ではない重要な要素なのかを考える。そして戦略を考える。この過程を経る前にほとんどの素人は「資金を失う」のである。だから最初にやるべきことは退場しない戦術だ。戦略が間違っていても死ななければ取り返せる。

 

素人は呪われている。