損切りした後にストップ高になりやがってクソックソッ、が起きる理由
下がりまくっていたブロッコリーがストップ高になりましたが前日に損切りした人が多いのではないでしょうか。私は最初の下落の直後に入って損切りしてからいじってませんけど。
ではブロッコリーの株価と信用買い残の推移をグラフにしてみます。水色が株価で赤が信用買い残高です。数値はHYPER SBIの時系列データとkarauri.netさんの日証金日次データから取得しました。
赤い線がじわじわと増え始めるポイントは青い線が下がり始めた所です。株価は上下を繰り返すわけですから「下がったところで買っておけば再び株価が戻った時に売れば儲かる」と考えるのは自然です。赤い線がポンと跳ねた所は青い線の急落と符合しています。「お買い得!」と思って買うわけです。株価が戻ればですが…。
この「下がるほど買う」という傾向はそのあとも何度か見られます。青い線がへこむと赤い線が飛び出ます。「ここまで下がれば後は上がるだけだろう」「さすがに底値だろう」と期待して買っている印象です。残高が減っていないわけですから損切りしていません。損切りしたとしてもまた別の人が同じ目論見で買う量の方が多いわけです。悪循環ですね。
数字で見ても明らかです。最も下落のひどい日の買い残高の増え方を確認します。
株価が下がれば下がるほど魅力的に見えてくるのです。実際には株価はどんどんさがって取り返しのつかないことになっているというのに。
では信用買い残高が減るのはいつなのでしょうか。数字からみてみましょう。
これは利食いと見ることができます。本当にそうなのかは分かりませんが、集団全体としての動きは「下がると買って上がると売る」ということになります。1月21日の動きについては「昨日に続いて今日も上がると思ったけどダメだったので投げ売りした」と説明できます。根拠はありません。1月20日に売り抜けたトレーダーは上手な人ですね。
ストップ高が不意打ちのように思えますが、直前の変な動きがサインとなっています。株価が下落しているのに買い残高が増えないのはおかしいです。いつもなら「下がれば買う」はずの集団が「下がったけど売る」のはおかしいです。みんな「もうブロッコリーはダメなんじゃ…」と意見が一致したということです。
となるとリバウンド狙いの上手な人はじっと監視しているのに下がると買ってくる下手な人がいない状況に近づいていきます。上手い人は上昇にきちんと乗っかってきます。ちゃんと損切りしています。売買代金や値上がり率ランキングに乗ると注目が高まってイナゴがあつまります。ストップ高になったのはたまたまでしょう。
分かりやすく言うと、下手くそがあきらめた後にしか株価は上がらないのです。
私も下手くそなので下落する株を追いかけることはありません。損切りしないと株価が上がらないことばかりです。株取引は「底値を当てて気持ちよくなるゲーム」ではなく「トータルで儲かるか損するかを競うゲーム」だと考えています。
壮大なババ抜きなんだよなぁ。