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トレードから迷信を排除せよ

トレードから錯誤相関を排除せよ - manie's blog

の続き。

 

錯誤相関を起こした集団の思考を迷信と呼びます。ウソや噂ではなく、事実から迷信が生まれます。迷信のメカニズムを知ることで、自分に迷信があるかどうか確認できます。

 

講義では迷信の例として雨乞いが出ていました。

 

 

雨乞いと降雨に関連があるかどうかは

  • 雨乞いする or 雨乞いしない
  • 降雨 or NOT降雨

の四分割で確率を検証することが必要です。数式は単純です。

 

 { \displaystyle \frac{雨乞いして降雨}{雨乞いして降雨+雨乞いしてNOT降雨} \ge \frac{雨乞いせず降雨}{雨乞いせず降雨+雨乞いせずNOT降雨} }

 

ところが人間の基本的なふるまいとして雨乞いにより雨が降る事実を目の当たりにすると、錯誤相関が出現します。

 

 { \displaystyle 雨乞いして降雨 > 0 } ならば雨乞いと降雨は相関がある

 

しかも雨乞いは「雨が降ってほしい日照り続きの時に雨が降るまで続ける」という条件も追加されてしまうため、結局は確実に起こります。(起きなければその村は全滅する)

 

迷信が生まれるメカニズムです。迷信は事実によって誕生します。生まれた迷信は集団を渡り歩くのでなかなか消えません。

 

雨が降った後も継続的に雨乞いを行い、「1000日間つづけて雨乞いを行って950日以上の降雨を確認した」「1000日間つづけて雨乞いをせずに過ごし、950日以上のNOT降雨を確認した」となれば雨乞いと降雨に関連があると言えます。

 

頭では分かっているのです。目の前で起きている事実はたまたま起こった偶然かもしれないと理解しているのです。ところが「もしかしてこれは新たな法則を発見したのかも?」と思ってしまうのです。

 

ではトレードの話。

 

ゴールデンクロスで買え!

 

有名な迷信です。日照り続きのトレードの後に神にすがる思いでゴールデンクロスの日に買いを入れるのです。迷信が生まれるメカニズムそのものです。全滅した村のトレーダーは死人に口なしです。ゾンビは「買うと下がる」などと言い始めます。

 

迷信だとすれば買っても儲かりません。では売ればいいのでしょうか?違います。「雨乞いしない方が雨が降る」こともないからです。

 

日照り続きだと次々に迷信が生まれます。MACDGCだパラメータはどうだ・ストキャスティクスが使える・マルチタイムラインパラボリックは外さない・セクシーボリンジャーは無敵だ、などなど。最近だとセルインメイです。(sell in may but remember come back in September は良い格言だと思います。)

 

(上がるか下がるかという意味において)あらゆるテクニカル分析は雨乞いと同じです。

 

ところが私はゴールデンクロスが大好きです。利益の源泉であるとすら思えます。私はスイングトレードで成功したいので25日線を基準に考えますが、5日線や75日線を見ている人たちもいます。

 

短期線が長期線を追い抜いていくことをゴールデンクロスと言います。5日線と25日線は「ミニゴールデンクロス」で25日線と75日線が「ゴールデンクロス」だそうです。ストックボイス http://www.stockvoice.jp/ で言ってました。

 

ということは底値から上昇を続ける株価の現象の順番は

  1. 株価が5日移動平均線を下から上に抜ける
  2. 株価が25日移動平均線を下から上に抜ける
  3. 5日線と25日線がミニゴールデンクロスとなる
  4. 株価が75日移動平均線を下から上に抜ける
  5. 25日線と75日線がゴールデンクロスとなる

と推移するのが理想的です。12345と並ぶと最高にうれしいです。

 

ゴールデンクロスは現象として分かりやすく、1から5に推移していく過程にあることが明確に定義できます。分かりやすい事実です。

 

1から5に推移する中で1の逆である「株価が5日移動平均線を上から下に抜ける」という現象もしばしば発生します。1・1の逆・1・1の逆・1・1の逆…と繰り返し発生します。これもまた分かりやすい事実です。2の逆や4の逆もあります。

 

本物のゴールデンクロスを見抜く方法はありません。しかし1から5に推移しているのか5に到達せずに株価は再び下落に向かっていくのかをテクニカル分析で調べることができます。そこに迷信は存在しません。

 

きちんと損切りしていれば結局は儲かるなんて迷信でしょうか?