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manie's blog

@cz500c

素人をカモり続けるトレーダーになる方法

間違いない!→間違いでした

絶対ダメ!→そうでもなかった

もうやめやめ→やればよかった

なんで?俺ってバカなの?株やめたほうがいいの?

ぃぃぇ、みんなバカなんです。人間だもの。

 

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元ネタ 放送大学 授業科目案内 錯覚の科学('14) 第10回 身近な情報の錯覚

キーワード 平均への回帰の錯誤、前後論法、同時発生の原因、サンプリングバイアス

 

 

講義は賞罰の話題で始まります。

 

生徒は褒めて伸ばすべきだとすべての教師が知っています。しかし多くの教師は叱るほうに傾きます。どうして褒めるべき生徒を叱ってしまうのか?口癖のように「ダメでしょ!」と言ってしまうのか?それは人間は褒めるより叱った方が効果があると思い込みやすいからです。「体罰は効果がある」のは迷信です。

 

褒めるのは成績が良い時です。叱るのは成績が悪い時です。当たり前です。

 

生徒の成績は上がったり下がったりするので、教師は結果的に「褒めると成績が落ち叱ると成績が上がる」と経験します。

 

叱ると成績が上がるけど、褒めると成績が落ちるぞ……?

 

生徒の実力が変化しない場合において、教師の錯覚です。生徒の実力が変化したかどうかを調べることなしに褒めたり叱ったりすると、錯覚である可能性が高まります。

 

褒めたり叱ったりする判断と、叱るほうが効果があると感じる、その両方に「平均への回帰の錯誤」が存在します。学術的な難しい定義はこちら 平均への回帰 - Wikipedia

 

頭では「たぶんこのぐらいの水準がふつう」と分かっているにもかかわらず、(自分の思っている)平均よりも大きく離れた現実に直面すると「何か起きたのではないか?」と考えることで起きる錯誤です。

 

あとから見れば「まぁそういうこともあるよね」程度のことであっても、まさに直面した時点では「何かが起きているのは間違いない!」と思うのが人間です。

 

本当に原因がある場合もあります。しかし、ほとんどの場合は何も起きていません。たまたまうまくいったり失敗したりしているのです。

 

生徒の成績が(教師の想定よりも)極端に悪い場合、教師は「生徒の実力が落ちたのではないか」と錯誤して「叱る」のです。成績が(教師の想定よりも)極端に良い場合は「生徒の実力が伸びたのではないか」と錯覚して「褒める」のです。平均への回帰の錯誤です。実は生徒の実力は変わっていません。褒めるのも叱るのも意味のない行動です。

 

叱る・褒めるを繰り返しているうちに、「叱った後は伸びる」「褒めた後は落ちる」現象を多く目にします。実際には「ときどき起こるまぐれ当たり」や「ときどきやってしまうミスが重なった」だけかもしれません。しかし教師は平均への回帰の錯誤に陥ってしまうために、「叱ると成績が伸びて・褒めると成績が落ちる」と錯覚します。

 

トレードの話。

 

教師を「トレーダー」、褒めるを「買う」、叱るを「売る」、生徒を「銘柄」、成績を「株価」に変えてみます。

 

銘柄買って伸ばすべきだとすべてのトレーダーが知っています。

 

買うのは株価が良いからです。売るのは株価が悪い時です。当たり前です。

 

売る株価が上がるけど、買う株価が下がるぞ……?

 

銘柄の実力が変化しない場合において、トレーダーの錯覚です。

 

銘柄株価が(トレーダーの想定よりも)極端に悪い場合、トレーダーは「銘柄の実力が落ちたのではないか」と錯誤して「売る」のです。株価が(トレーダーの想定よりも)極端に良い場合は「銘柄の実力が伸びたのではないか」と錯覚して「買う」のです。平均の回帰への錯誤です。実は銘柄の実力は変わっていません。買うのも売るのも意味のない行動です。

 

売る・買うを繰り返しているうちに、「売った後は伸びる」「買った後は落ちる」現象を多く目にします。実際には「ときどき起こるまぐれ当たり一時的な買いの集中」「ときどきやってしまうミスが重なった一時的な売りの集中」だけかもしれません。しかしトレーダーは平均への回帰の錯誤に陥ってしまうために、「売る株価が伸びて・買う株価が落ちる」と錯覚します。

 

価値ある企業への投資であれば、株価が下がれば下がるほど喜んで買うわけですが、それはまさに「生徒の実力」を見抜いているからできる行動です。見抜く目があるからこそ、「十分に高い株価」を確認して売却利益を確定できることになります。

 

逆張りトレーダーは素人の錯誤を的確に突いてきます。陽線がポンポンと出て「褒める株価」になったところで空売りを仕掛けてきます。陰線がポンポンと出て「叱る株価」になったところで買いを仕掛けてきます。株価は本質的に「怖い値段」も「安心して買える値段」も存在しないはずなのに、素人の錯誤による市場心理を的確に突いて売買をしてきます。

 

順張りトレーダーは逆張りトレーダーの対極です。まるで素人のようなポイントで仕掛けます。そのかわり「相場が動く」時には大きな利益が出ます。素人の買い・逆張りトレーダーの損切り・相場を動かす大口による買い、の3つの買いの勢いに乗って利益を伸ばします。素人との違いは資金管理です。

 

注目している銘柄が「実力が変わらずに上がったり下がったりしている」のか「実力が変化して上がったり下がったりしながら方向を持っている」のかを常に確認していく必要があります。勝つトレーダーは常に確認しつづけます。

例えばこんなふうに……エイチーム 全株損切り|ゲーム銘柄で一攫千金(旧 短期トレードで勝ちを重ねる)

 

講義は「サイコロをほめる実験」に移ります。

 

サイコロに心がないことは明らかです。妖怪のように「サイコロに心と目を操作する力があって、やる気によっては出目を変更することもできる」などと思いません。「サイコロをほめる実験」に意味があるとは思えません。

 

被験者はサイコロを何度も何度も振ります。「123は外れの目。456は当たりの目」と決めます。被験者は「123が出たら叱る」「456が出たら褒める」ことを守ります。はた目から見るとサイコロに向かって叱ったり褒めたりしているので滑稽この上ないでしょう。

 

この実験をすると、76%の人は「叱ろうが褒めようがサイコロの目に変化はない」と答えます。しかし24%の人は「叱ったり褒めたりしたことでサイコロの目が変化した」と答えます。これは驚くべきことです。ほぼ4人に1人が、頭ではありえないと知っているのに「もしかしたら効果があるのかもしれないと錯誤してしまう」のです。

 

サイコロは「心がないもの」の極端な例です。教師が生徒に対して錯誤するのも仕方の無い事です。

 

講義は平均への回帰の錯誤を含めた4つの錯誤について述べます。

  • 同時発生の原因
  • 自然な原因
  • 平均への回帰
  • 欠落したケース

 

「ダイエットスクールに通ったら痩せた」を例に挙げていました。ダイエットスクール自体にはまったく効果がなかったとしても「あのダイエットスクールは効く」と錯誤してしまうパターンがあります。

 

同時発生の原因とは、気づかない別の要因が同時に起こっていた場合です。「ダイエットスクールに通った」ことが原因で「お金がないので食費が減ったから痩せた」「通う道のりがよい運動になって痩せた」などです。

 

自然な原因とは、最初から最後まで別の要因が存在していた場合です。体重は季節によって変動したり、食生活の変化で変わっていきます。ダイエットスクールに通っても通わなくても痩せる時期にあったのかもしれません。

 

平均への回帰とは、存在しない原因があるかのように思うことです。ダイエットスクールに行こうと思うのは、太った時が多いです。痩せている人が通っても、効果がないか逆に太ります。太ったらダイエットスクールに通い、いつもの体重に戻り、結果的には痩せた、だから効果がある、と錯誤します。

 

欠落したケースとは、すべての対象で検証したつもりで見落とすことです。錯誤相関(トレードから錯誤相関を排除せよ - manie's blog)で見られた「起きているのに見ようとしないケース」と似ています。ダイエットスクールに通い続ける人は「効果があると実感している人たち」に偏ります。1年も2年も通い続けている人たちだけを見ると「ほとんどの人が痩せているから効果がある」と錯誤します。実際には3か月・1か月・3日で「効果がないからやめた」人がいっぱいいるのかもしれません。どのぐらいの人数がやめてしまったのかを確認しなければ、錯誤相関を排除できません。

 

講義はここで終りました。身近な錯覚は実感をもって理解できます。

 

 

トレードにおいてはどうか。どんな状況で錯誤が起きているのか。

 

同時発生の原因。

マーケットの根源的な仕組みとして、完全に逆の思惑を持った「売る理由」と「買う理由」がぶつかっています。下がると思う人と上がると思う人が握手して売買が成立し、「あいつ高値でつかみやがった」「ここまで安値で売る必要ないだろう」と思惑が対立します。売買の成立は「同時発生の原因の錯誤」が起き続けていることになります。私が買おうと思うとき、誰かが売ろうと思うのです。つまり、マーケットには原因がありません。ある瞬間の値段とその次の瞬間の値段を比べても意味などないのです。

 

自然な原因。

上昇相場における素人の利益は「素人が株取引を上手にやるから」ではないのです。誰がどの株を買っても儲かる状況にあるからです。ラッキーな主婦やサラリーマンが億単位の資産を保有しますが、数年たつとすべて消滅します。大相場のピークで現物と信用を積み上げて破産するからです。投資も投機も勉強して、順調に資産が増え、「私は相場観がある!」などと勘違いする錯誤です。本物のトレーダーは上昇相場であろうが下落相場であろうがレンジ相場であろうが安定して利益が出せます。

 

平均への回帰。

買ってダメ売ってダメ。高値で買って底値で損切り、底値で空売り高値で買戻し。レンジ相場でブレイクを狙って負け続け、トレンド相場で逆張りを外し続ける。頭では分かっている水準があるからこそ、「いつもの水準じゃない!」時に失敗を繰り返してしまいます。

 

欠落したケース。

移動平均線を下から上に抜けたときに買う」と儲かる場合と損する場合がどのぐらいの割合で分布しているのか本当に調べたのか。MACDゴールデンクロスするときに買うと儲かるかどうかを本当に調べたのか。移動平均線やMACDの日数や分数はどうなのか。決算短信が良い場合と悪い場合、コンセンサス予想より上の場合下の場合、予想が上に外れる場合下に外れる場合。あらゆるパターンを数え上げると膨大な数になります。それらすべてのパターンを調べて初めて「有利・不利」が明らかになります。

 

ではどうすればいいのか。投資や投機の本を読んでも書いてありません。「成功法は人それぞれ…」などと言葉を濁して終わりです。たぶん知らないからでしょう。

 

以下は私の考えです。ご留意ください。

 

失敗を成功に変えていくには3つのステップがあります。

  • 原状復帰
  • 再発防止
  • 再発時の対応

 

まず錯誤している状態から錯誤していない状態にします。

つぎに錯誤に陥るまでの過程を調べ、同じ過程に進まないようにします。

最後に「それでも錯誤した時」の対応方法を決めておきます。致命傷で済みます。

 

自分の錯誤を知るには、何を見て何を考えて行動したかを知る必要があります。つまりトレードを記録します。

  • 銘柄が気になった時・理由・その時の気持ち
  • 銘柄に仕掛けようと決意した時・理由・その時の気持ち
  • 銘柄に仕掛けた時・理由・その時の気持ち
  • 銘柄を保有しはじめた時・理由・その時の気持ち
  • 銘柄の保有をやめたいなと感じた時・理由・その時の気持ち
  • 銘柄を手仕舞いした時・理由・その時の気持ち
  • 銘柄がまだ気になる時・理由・その時の気持ち
  • 銘柄を監視から外した時・理由・その時の気持ち

株を買う理由・保持する理由がないのに持ち続けていたら錯誤の可能性があります。監視する理由・仕掛けようとする理由がないのに監視を続けていたら錯誤の可能性があります。改めるべきです。

 

何回も繰り返すトレード全体についても記録する必要があります。

  • 資産が増えたり減ったりしている時・その前後のトレード・その時の気持ち
  • 資産が減り始めた時・その前後のトレード・その時の気持ち
  • 資産が増え始めた時・その前後のトレード・その時の気持ち

仕掛ける株数はどのように変化したのか。資産はどうなったか。トレード成績はどのように推移したか。「うまくいっていると思っている時」に本当にうまくいっていたのか、うまくいく理由は思ったとおりだったか。

 

記録を続けて錯誤を改める作業を繰り返すと、自分が錯誤に陥るプロセスが見えてきます。そうなれば「そろそろやらかしそうな状況」を察知することができます。次なる錯誤に遭遇する確率はどんどん減っていきます。

 

しかしながら「久々にやっちまった」となる日は確実にやってきます。その時にどうするのか決めておく必要があります。勝ち続けるトレーダーの多くは「しばらくトレードをやめる」ことを決めているようです。

 

日々のトレードを記録し、振り返る。それが成功への道だと信じています。