manie's blog

@cz500c

魚と魚屋。株と株取引。

魚屋の話を聞いて驚きました。

魚が売れようが売れまいがどうでもいい

そんなはずねーだろ、と思いましたが事実でした。

 

魚屋の目的は

 

売ることで利益を得る

のであって、魚を扱うのは手段に過ぎません。

 

目の前の1匹のサンマを必死に売ろうとしてやっと仕入れ値ぎりぎりで売れて1日が終わってしまえば、魚屋としては破たんです。1匹のサンマが売れ残る間にイワシを10匹とアジを10匹売れるならその方が儲かるのです。売れ残りそうなサンマは、閉店直前に10円で売ってしまえばいいのです。

 

その日のお客さんがどんな魚を欲しがるかは分かりません。魚市場でどの魚が安く仕入れられるかも分かりません。まったく魚が売れない日もあるかもしれません。すごい勢いで魚が売れる日があるかもしれません。

 

経験と勘で魚を仕入れ、その日の売れ行きを見て売り込みのバランスを変え、閉店間際には叩き売ってでも在庫を減らす。その繰り返しで利益を得る仕事です。

 

旬の魚を仕入れるべきなのは、欲しがるお客さんが多いからです。お客さんが多いほうが高く買ってくれる人がいっぱいいるし、安売りする時もさばきやすいです。いろんな種類の魚を仕入れるのは、いろんなお客さんに買ってもらえるからです。少し値段を上げてサクや刺身に加工して売るのは、自分でさばけないお客さんにも売るためです。

 

株取引も同じだな、と。

 

トレーダーは株を買って売って利益を出すと思われがちです。私もそう思っていました。ところが実際は株の売買で利益になろうが損失になろうがどうでもいいのです。

損切り利食いになるかはどうでもいい

のです。トレーダーの目的は

株取引を繰り返して利益を得ること

なのですから。

 

魚と魚屋の関係は、1回の株取引とトレーダーの関係に似ています。

 

仕入れる魚の最低条件は、お客さんがたくさんいることです。閉店間際に安売りしたくても、お客さんがいなければそもそも売買が成立しません。

 

仕掛ける銘柄の最低条件は、流動性がある(急騰急落があっても指値注文がいっぱいある)ことです。損切りしたくても買い注文がなければ売買が成立しません。

 

儲かる魚の最低条件は、市場とお店の価格差があることです。1匹売ると10円儲かる魚を100匹仕入れるよりも、1匹で500円儲かる魚を3匹仕入れたほうが利益が大きいです。市場のセリで5円高く買うことになったり、お客さんが5円値切ることも考えねばなりません。

 

儲かる銘柄の最低条件は、安値と高値の値幅があることです。直近高値と直近安値の値幅が10円の銘柄を100回売買するよりも、値幅が500円ある銘柄を3回売買した方が利益が大きいです。仕掛けと利食いで5円滑るかもしれません。

 

どの魚が売れそうなのか予想して仕入れ量を変えてはいけません。売れ行きがいいなら翌日の仕入れを少し増やせばいいのです。あまり売れないのであれば翌日は減らせばいいのです。売れているかいないかに応じて仕入れ量を変化させればいいのです。

 

株価が上がるか下がるかを予想して株数を変えてはいけません。含み益が増えるなら少し買い増せばいいのです。含み益が減る(含み損が増える)なら少しずつ手じまいすればいいのです。含み損益に応じて株数を変化させればいいのです。

 

トレードを稼ぐ手段と考えるなら、自然な発想に思えます。