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ニュースで買って噂で売る

要約 ニュースの山と谷・買い場はどこか・根拠を持とう

 

ニュースで買って噂で売る

相場格言は「噂で買って事実で売る」ですが、素人はその逆を行きます。なぜニュースで買うようになってしまうのか。そして噂で売ってしまうのか。その仕組みを解明して対策を考えなければなりません。相場とニュースはどのように関連しているのでしょうか。あるいは何の関係もないのでしょうか。

素人が無能な自分に気づくと

素人は自分が無能な上に勉強しても無駄だと理解するのですが「それでもお金が欲しい!」と欲望を捨てません。ならどうするか。そうだ!上手な人に教えてもらおう!

発想は正しいのです。ですが「素人の想像上の上手な人(以下、ジョウズな人)」は、実は素人なのです。

  • 世界の経済に詳しい人が上手
  • テクニカル分析に詳しい人が上手
  • 企業分析に詳しい人が上手

 某証券のチーフアナリストだとか某キャピタルのシニアストラテジストだとか、肩書から感じるイメージで「上手な人の条件を満たす」と思ってしまうのです。実際には身銭を切って毎日お金の奪い合いをしている人ではないので、要するに素人なのです。

ジョウズな人の情報発信を追いかけていくと、経済紙や経済番組を追いかけることになります。ジョウズな人の情報を調べてみましょう。

ニュースで買うとどうなるのか

ジョウズな人が世間に「日経平均株価」と発信している量を調べるにはGoogleトレンドが便利です。Googleトレンドで「日経平均株価」を検索してみます。

Googleトレンド「日経平均株価」

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日経平均株価そのものを重ねてみましょう。ちょっと面白いですよ。

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どうみても山と山が合致しています。山と谷はちょっとずれていますが(後述)、だいたい同じです。山と山の合致を図示します。

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不思議なことに山と山が合致したところは相場のピークです。

日経平均株価」のニュースが飛び交うときは株価のピークが近いのです。ニュースで買うのは「株価のピーク直前」で買うことなのです。悲しいことです。

そして噂がやってくる

ギリシャショックだ!債権の価値がゼロになる!ロシア侵攻!戦争だ!チャイナショックだ!世界経済の成長は止まった!原油安が限界突破!産油国がデフォルトに!などなど。噂と一緒にちょっとした暴落がやってきます。もちろん素人は急落で株を投げ売りします。したくなくても追証で強制決済です。

その後でジョウズな人は暴落の理由を説明します。ギリシャだチャイナだ地政学だ原油だグレートローテーションだのと説明します。説明できるなら起きる前に教えてほしいのですが。

暴落の理由を説明する時期がすぎるとニュースの量は減っていきます。ニュースの谷がやってきます。大きなサプライズが起こってしばらくした後に、だれも日経平均株価について発信しない時期です。図示します。

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この時期が「中長期投資の買い場」なのです。もちろん「今日がニュースの谷だ!」と判定することはできません。さらなる下落で損切りとなるかもしれません。ですが「株価のピークに向かう途中」で買うよりはずっと有利です。

ニュースとは何なのか

ニュースには理由があります。人間が報道しているのです。ニュースにすべき株価なのかを人間が判断しているのです。上がったり下がったり上がったり下がったりしていても「報道する価値がない」と判断するのです。上がって上がって上がって「すごい株価だ!」となってもさらに上がって上がって上がってとなれば「すごい!すごい!」と報道するのです。

報道する人もネタを提供するジョウズな人も相場の素人ですから「上昇トレンドが発生した」と思うタイミングが極端に遅いのです。だから「株価」がニュースとして飛び交うまでに時間がかかるのです。ジョウズな人の分析を借りなくても株価をニュースにできる状況になるとさらにニュースが増えていきます。なんだかみんなで株を買わなければならないような気にさせるニュースばかり増えていきます。素人を騙そうとしているわけではないのです。ニュースを発信する側も素人だからなのです。

データとニュースを使い分けよう

上場企業の決算短信はデータです。定期的に決まった量が公開されます。月次売上や人件費の推移もデータです。定期的に公開されています。株価のチャートもデータです。毎日ローソク足が右端に追加されていきます。「買うべき時だ!」「いまは待て」なんてデータはありません。ただそこにあるだけです。

ニュースはデータを使って発信されますが、常に人間の判断が入ります。「今四半期は増収増益企業多数!上昇相場到来か?!」「大手家電店が銀座に旗艦店をオープン!」「某バイベンチャーの治験フェーズが最終段階に!」などなど。報道すべき驚きはあるか?良いニュースか悪いニュースか?関連ニュースは何か?経済や政治に関係あるのか?などなどを加味した文章がデータに追加されます。

相場についてのニュースを相場の素人が発信しています。ニュースの中身からデータを抜き出しましょう。抜き出したデータと残った「素人の相場観」は別々の方法で分析すべきです。

売買の根拠を持って作戦を立てよう

中長期投資の上手な人はニュースを上手に利用しているのです。業種やテーマが世間に浸透して来たら売りです。下落してから売るよりも資金が回転するし、常に新たな投資先を物色しているので買いたい株がいっぱいあるのです。

短期投機(トレード)をする場合は株価のピークがねらい目です。乱高下すればするほどチャンスが増えます。みんなが株に興味を持っていて売買代金が多くなるほど有利に売買できます。ニュースの谷では値幅がないので取りようがありません。資金が集中するごく一部の銘柄にトレーダーが殺到します。上級者だけが勝てる状態です。素直なチャートはなくなってダマシ連発の汚いチャートばかりになります。

自分のスタイルを確立し、自分にあった相場を見つけて臨みたいものです。

 

日々勉強。

記事まとめ

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