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manie's blog

@cz500c

テクニカルの勉強をする目的を間違えている

要約 使い方の前に目的・テクニカルの種類・中級者が使うテクニカル

 

テクニカルの勉強をする目的を間違えている

素人が最初に知るテクニカルはトレンドラインだと思います。

「こりゃ簡単だ!」

しかし儲かりません。そして移動平均線に手を出します。他にはトレンドフォロー指標とオシレータをたくさん勉強します。酒田罫線法の足組やダブルボトムなどのチャートパターンも学習します。しかし儲かりません。なぜ儲からないのでしょう?そしてどうすればいいのでしょう。

最後にお勧めの売買サインを載せておきます。「テクニカルなんて役に立つわけがない」とお考えの方にもお勧めのサインです。マジ系です。

 株価が上がる前に買えば儲かるのではないか?

損を繰り返した素人は「株価が急激に上がる前に買いたい」と考えるようになります。買った後に株価が急上昇すれば、動揺しようがパニックになろうが儲かります。自分が下手くそだと自覚するからこそ「儲かるタイミングさえ分かれば勝てる」と考えてしまうのです。

そこで最初に手を出すのが移動平均線です。移動平均線なら滑らかに上昇していくので「儲かるタイミング」が分かると思うのです。確かにそういう指標ではあるのですが、「サインが出るのが遅すぎる」のです。25日移動平均線であれば底値から10日から15日ぐらい遅れて「上昇しはじめたよ」とサインが出ます。だから移動平均線を見て買うと「高値掴み」連発です。

もっと早く「上昇の兆し」を見つけたい!

25日で遅いならばと5日移動平均線を見るようになりますが、構造的には同じことなのでやはり出遅れて高値掴みをします。5日線が25日線を上に抜けるタイミング(ミニゴールデンクロス)を参考にするものの、やはり儲かりません。移動平均線では「上昇の兆し」が遅すぎるのです。

もっと早くサインがでるのがMACDです。2つの指数移動平均ゴールデンクロスを探せるので、26日MACDなら初動から数日でサインが出ます。高値掴みは緩和されますが「上昇しませんでした(いわゆるダマシ)」の頻度も増えるので儲かりません。

株価の上下動を推定するテクニカルがいいのでは?

こうなると「売られ過ぎを見るにはRSIとストキャスティクスが20割れ」だの「トレンドの限界をボリンジャーバンドの2σで見よう」だの「株価の下げ止まり目安はフィボナッチリトレースメントの61.8%と38.2%」だのと勉強が進んでいきますが、ことごとく儲からずに資金を減らしていきます。

どんどんマニアックな指標を勉強していきます。パラボリック・ポイント&フィギュア・カギ足・マルチ移動平均線、などなど。そして複数の指標を同時に使って条件を絞り込んでいく手法も理解します。パーフェクトエントリーの狙いに感動したりします。

買う場所と売る場所がどんどん減っていく

ところが指標をいじればいじるほど売買の機会が減っていきます。5つの買いサインが同時に出ても、直前に売りサインが出ていて翌日にも売りサインが出たりします。タイミングを知りたかったはずなのに、サインが多すぎてタイミングが分からなくなっていくのです。何かがおかしいと気づいてはいるのですが、「買うタイミングさえ分かれば儲かる」と思い込んでいるので勘違いに気づけません。

なんでもいいから買うタイミングを教えてよ!

もう支離滅裂です。勉強すればするほど「買ってはいけない根拠(従っても儲からないサイン)」が増えてしまうのですが、心情としては早く株を買って今すぐ儲けたいのです。「欲望に任せて買う」ための言い訳として「いま買いサインだから!」などと言い出します。こんなことならテクニカルなんて勉強しないほうがいいのです。 

では「お勧めのテクニカル」を大公開といきましょう

トヨタ自動車の日足チャート1997年1月6日から2015年12月30日までで検証しました。およそ20年です。

上のグラフが株価の終値です。下のグラフがサインに従った売買の累積損益です。売りも買いも勝ちです。

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どんなテクニカル指標かが分かる人は相当のベテランです。詳細は後ほど。

売買ルールも非常にシンプルです。

  • 日足チャートで売買サインが出るまで待つ
  • 引けでサインが出たら翌日の寄りで成行買い(空売り
  • 約定当日は損切りしない
  • 約定日が引けたら前日安値と当日安値の安いほうでストップ注文を入れる
  • ストップ注文より当日安値が高ければ引け後にストップ価格を引き上げる
  • ストップ注文より当日安値が低ければ損切り利食い)となる
  • ギャップダウンして損切りとなる場合は始値損切りとする

MACDと比較してみよう

お勧めのテクニカルがどれぐらいすごいのか別のモノと比較してみましょう。MACDゴールデンクロスMACDデッドクロスの売買サインで比較してみます。

MACDの特徴はいくつかありますが、代表的なものだけ列挙してみます。

  • 指数移動平均なので単純移動平均よりもサインが早い
  • 差分のクロスなので「実際には上昇しない(ダマシ)」も多い
  • ほとんどの証券会社で表示できる

私は株価を連続関数と近似した場合の二次導関数の一種と捉えています。

 ポジションの損切りトレイリングストップは「お勧めのテクニカル」と同じルールです。ということは「仕掛けるタイミング」だけが違います。それ以外はすべて同じ場合にどのぐらい違うでしょうか?

株価とMACDの累積損益を示します。

 

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MACDの買い玉はそこそこの成績ですが売り玉はトントンです。でも累計では勝っています。ただし累積額は「お勧めのテクニカル」の半分以下です。

別の銘柄でも比較してみましょう。どれも20年分の日足です。

日産自動車(1997年~2015年)

日足チャート(20年分)です。

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お勧めテクニカルの結果です。

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MACDの結果です。

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お勧めテクニカルは累計でちょっと負けですが、MACDは買いも売りも20年間負け続けています。

大成建設(1997年~2015年)

日足チャート20年分です。

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お勧めテクニカルの結果です。

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MACDの結果です。

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お勧めテクニカルは先頭3割の期間で最大でー300を超える累積損失に達します。MACDは累計でプラスを維持し続けます。MACDの完勝です。

大和証券(1997年~2015年)

日足チャートです。

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お勧めテクニカルの結果です。

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MACDの結果です。

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お勧めテクニカルは最終的にちょっと負け。MACDは前半はトントンですが後半は買いも売りもダメ。

ソフトバンク(1997年~2015年)

日足チャートです。

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お勧めテクニカルの結果です。

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MACDの結果です。

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 累計の利益が多いのは「お勧めのテクニカル」です。ドローダウンがきついですが、初動から利益を伸ばし始めています。

MACDゴールデンクロスデッドクロス)の特徴

いくつかの銘柄で20年のクロスサインを追いかけてみて分かったことがあります。

  • 週足のトレンドにも月足のトレンドにも乗れない
  • 銘柄によって20年続けて安定して勝ち続けたり負け続けたりする
  • 複数銘柄のトータルで「お勧めのテクニカル」に負ける

こんな感じでしょうか。

「お勧めのテクニカル」の特徴

トレンドに乗れることが自慢です。

  • トレンドが発生すると逃さずに利益にできる
  • 買いサインと売りサインの成果でトレンド方向が分かる
  • MACDだと負け続ける銘柄でもそこそこ勝つ
  • MACDで勝てる銘柄だともっと勝つかやや負け

デメリットもありますがMACDのクロスより優秀だと思います。どうでしょうか。

個別の銘柄について~トヨタ自動車

トヨタ自動車MACDのサインで売買すると累積で勝ちます。数年レベルの上げ相場と下げ相場のどちらも「MACDデッドクロス」が安定して負けていて「MACDゴールデンクロス」が安定して勝っています。これは「DCで売る人がほとんどいない」「GCで買ってくる人が20年継続して存在する」と推測できます。MACDゴールデンクロス移動平均線のゴールデンクロスより早く出るので「5日と25日移動平均線のミニゴールデンクロスで買う」人の存在が影響しているのではないでしょうか。

残念なことに、下降相場でもMACDゴールデンクロスは利益を出しています。一般的にはMACDデッドクロスは「長期的な下降相場における一時的な戻りの崩れタイミングを示す」と言われています。私もそう思っていました。ですが、デッドクロスは負け続けます。

toushika_y on Twitter: "MACDはトレンドを定量的に解析するのにも使えるからね。移動平均の日数を変数とするからカーブフィッティングが起こりにくい。 https://t.co/HCEBggTS2t"

トヨタ自動車の株価とMACDサインで売買した結果を再び示します。

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お勧めテクニカルの場合は株価の上下動に連動した結果になっています。株価のトレンドが上か下か横ばいかで成績が変化しています。しかし「上なら買い・下なら売り」というわけでもありません。

トヨタ自動車の株価とお勧めのテクニカルでの売買結果を示します。

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  • 上昇相場では買いが勝ち、売りが負ける
  • 上昇相場の終わりから下降相場では買いも売りも勝つ
  • 横ばいでは買いも売りも負ける

お勧めのテクニカルは上昇と下降の両方のトレンドに乗ることができて、急落局面などのボラティリティの増える局面で利益を伸ばすサインです。ただしボラティリティの低下する局面ではサインが出るたびに損してしまいます。

個別の銘柄について~日産自動車

日産自動車MACDのサインで売買すると累積で負けます。10年続く緩やかな上昇トレンドを捉えるには日足のサインでは局部を見過ぎていて、3か月だけ発生して消えるトレンドを捕まえるには遅すぎました。高値掴みと安値売りを20年間続けるだけのサインになっています。

日産自動車の株価とMACDのサインで売買した結果を示します。

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お勧めのテクニカルで売買すると、前半10年で積み上げた利益を後半10年で溶かしてしまいます。儲かる時期と損する時期が明確です。

日産自動車の株価とお勧めのテクニカルで売買した結果を示します。

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3か月程度のトレンドであっても、ボラティリティが大きくなると損少利大のタイミングを捕まえることが多くなって買いと売りのトータルでの利益を積み上げていきます。後半10年はボラティリティが低下して「やればやるほど損」となっています。

その他の銘柄について

大成建設の株価が200円を切る局面では「お勧めのテクニカル」はひたすら負け続けます。株価に対する呼び値の比率が高い局面では利益を出せません。低位株で使うとひどい目に合うと思われます。MACDのクロスを待つことは、凪の状態が終わるまで何もせずに待つことになるはずです。

ソフトバンクの2005年~2007年ごろの株価上昇局面で「お勧めのテクニカル」は負け続けています。「前日安値で損切り」を繰り返すと最悪の結果となる状況で「MACDはサインを出さないがお勧めのテクニカルは売買サインを出す」ことで成績が悪くなったようです。ボラティリティは少ないがトレンドがある時にMACDは威力を発揮します。これも特徴の一つです。

さてさて、MACDは「上昇の兆し」だったのか?

結果を示した後なので当然ですが「どう考えても上昇の兆しではない」です。「MACDゴールデンクロスで買えば儲かる」ということではないようです。ただしトヨタ自動車のような例もあります。トヨタ自動車は「デッドクロスで売れば損を重ねるだけ」でもあるので「MACDの計算式が上げ下げの兆しを示す」ではありませんでした。

少なくとも「MACDは兆しではない」ことが分かりました。では別のテクニカルならば「兆し」を見つけられるのでしょうか?その答えは「お勧めのテクニカル」の計算式を見て頂ければ分かると思います。 

「お勧めのテクニカル」の秘密を公開

数式は以下の通りです。

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詳細はmicrosoftのサイトなどでご確認ください。

support.office.com

「売買サインを出すテクニカル」などと言っていましたが「ただの乱数」でした。0.5以上なら買い・0.5未満なら売り、です。サイコロで言うならば、偶数で買い・奇数で売り、です。

そして手仕舞いして5日間はサインを停止し、5日目に次のサインが出ます。ただそれだけです。

トレード全体を見下ろしてみます。

  • サイコロを振って買い玉(売り玉)を立てて損切り注文を入れる
  • 1日過ぎて損切りにならなければストップ注文を安値(逆行限界)まで移動する
  • 手仕舞いとなったら5日休む
  • 5日過ぎたらサイコロを振る

こういうスタイルです。それでいて「そこそこMACDに勝つ」のです。理屈をこねてどうのこうのしたところで「そこそこサイコロに負ける」のであれば無駄なことです。

MACDではなく、RSIならサイコロに勝つのではないか?」など、アイデアはとても大事です。大事ですが、本当に勝てると信じるに足りる検証をしたのですか?「やっぱりRSIなんてゴミだ!」と言わずに継続できる根拠はあるのですか?

そして皆、トレンドラインに戻ってくる

テクニカルはいくつかの種類に分けることができます。ほとんどの素人は同じ分類に偏ったテクニカルを使おうとします。温度計をいくつもならべているようなものです。明日が晴れるかを調べるならば湿度・風速・風向・気圧も同時に調べるべきなのです。

テクニカルは計算式で分類すると3つぐらいに分かれます。

  • トレンドフォロー系(上昇と下降の傾向を見る)
  • オシレータ系(トレンドが終わりかけたかを見る)
  • 数値記録系(事実の列挙)

加工前の材料で分けると3つぐらいに分かれます。

  • 終値を加工して計算
  • 状況が変わったかどうか判定
  • 複数の銘柄で計算(またはひとつの銘柄で計算)

これらをいろいろ組み合わせる方が全体を把握できます。もちろん「ティックと1分足以外はまったく不要のデイトレ!」という人もいます。それはそれでいいと思います。やってはいけないのは「終値加工のトレンドフォロー系だけを4つ使って買う」とか「オシレータ系4つが全部サインを出したら買う」などのやりかたです。私なりの分類を示します。

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特徴の違うテクニカルを組み合わせると、どうしてもトレンドラインを採用せざるをえなくなります。私はトレンドラインのほかに移動平均線とMACDヒストグラムと新高値と複数の銘柄で作るテクニカルを好みます。でも、むしろ計算で作るテクニカルは「慣れてくると表示しなくても推測で分かる」のでだんだん不要になります。引きなおしが発生するトレンドラインは再び引いてみないと分からないのです。

トレンドラインに含まれる「水平に引くサポートラインとレジスタンスライン」は誰でも同じように引けますが、斜めに引くトレンドラインは人によって引き方が変わります。トレンドラインだけは「計算で作れないテクニカル」です。高値と高値を結ぶための日数を決めるのは自分です。「うまく引ける日数」は常に変動するので「いつも引きたいので毎日引き直す」か「一度引いたら何か月も引きなおさない」のどちらかになります。

 そしてトレンドラインすら必要なくなります。引かなくても見えてくるのです。結局「最強のテクニカルは株価である」ことに行きつきます。「上がったら買う」のか「上がったら売る」のかという単純なルールのみが残ります。凪の相場が中級以上のトレーダーを殺そうとするのです。素人には理解できない世界です。

 「上がったら」がどういう状態なのかはトレーダーによって異なります。経験で積み上げた「こうなったら自然に買ってしまう(売ってしまう)」状態です。テクニカルを勉強する理由は「上がったら」が自分にとってどういう状態なのかを定義するための儀式に過ぎません。

あなたのお勧めのテクニカルは何ですか?

少なくともサイコロに勝つようでなければ話になりません。私はまだサイコロにすら勝てない状態です。さてどうしたものか。

 

検証に使用したデータは「MACD検証.ods」としてアップロードしておきました。欲しいという奇特な方はtwitterのプロフィールにあるYahoo!ボックスのリンクからどうぞ。

 

日々勉強。

manie.hatenablog.com