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manie's blog

@cz500c

読書感想文 ゾーン「勝つ」相場心理学入門 著マーク・ダグラス

メンタル

禅問答みたいな本。だけどちゃんと最後に答えが書いてある優しい本。名著。

 

対象読者は「株取引の勉強したけどむしろ儲からなくなっててわけわかんない」人だ。勉強すればするほど、破産はしないけど儲かりもしない。なんで?という問いに答える本。

 

結論は「はじめに」の後半4ページに書いてある。もうそれだけで2800円の価値はある。でもここに書いても価値はなくならないので書く。

  • 利益を出すために次に何が起こるか知る必要はない。
  • 何事も起こりうる
  • どの瞬間も唯一のものである

そして有能なトレーダーになる方法も最後の20ページに書いてある。

 

 

著者は有能なトレーダーになるには3つの段階があると述べている。機械的段階・主観的段階・直感的段階の3つだ。本書にしか登場しない言葉だが内容は平易だ。例えば素振り・バッティングセンター・バッターボックスのことだ。あるいは授業学習・模擬試験・大学入試だ。

 

機械的段階は「ルールを守って20回トレードして結果を確認する」だけでよい。だけでよいのだがなかなかやる人はいない。私はすでにやっていた。

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ある程度改良もしている。

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だがものすごい勢いで儲かっているというわけでもない。まだ「ゾーン」に入っていないわけだ。

 

著者は機械的段階で次のように述べている。著者のルールにおいて、トレード回数の10%は一度も含み益になることなく損切りになるという。予定通り6ティック損する。トレード回数の25%から30%のトレードはいったん3か4ティック含み益となるがやがて損切りとなる。そこで含み益が3ティックとなったら「建て玉の3分の1を利食いする」とルールを修正した。年間の損益は改善したという。

 

このルール修正が主観的段階の一歩目である。仕掛け方法や利食い方法をどんどん改良していく。トータルで儲けるために何をすればいいかを明確に理解しながらトレード方法を変化させていく。ルールをどんどん修正して「もう修正する必要がない」となった段階が直感的段階である。もう「ここで買いだな!」と感じるままにトレードすればよいのだ。

 

著者はこの3段階の上達の道筋がどうして有効に作用するかを本の中盤で述べているのだが「とにかくトレードで儲けたい」人には不要な部分だ。第1章から最後の21ページまでの300ページほどの部分だ。だがその不要な部分があることがこの本をメタ組織化している。

 

この本を読んで書いてある通りのことをして儲かるトレーダーになろう!と誓ったものだけが、退屈で地味で面倒ですぐに効果が得られなくてむしろ損したりしてイライラして自分の相場観を否定されてプライドが崩れる作業を乗り越えられる。手っ取り早く答えを教えろよ!という態度ではトレードを記録してチャートを印刷してメモを書き込んだりできるわけがない。

 

ということはつまりトレードで儲けるのは簡単な事なのだ。「あっ、こうやって儲けるんだ」と気づくまでの作業は、ただ記録するだけでいいのだ。売買ルールはなんだっていい。「なんとなく買おうと思ったら買う」でも構わないのだ。 記録して分類して損した場合と利食いした場合を見ることで「こういうところで買うとダメなのか」と自然に分かってくるのだ。毎回ダメなわけじゃないけどほとんどは失敗するとか、結構いい線行くけどダメなときもあるとかに出てくる「ほとんど」や「ときどき」を数字で言えるようになれということだ。

 

その数字を知っているのがカジノ経営だという。

 

なぜカジノ経営は(日本でいえばパチンコ屋や競馬場や宝くじ売り場は)儲かるようになっているのか?スーパーカジノプレイヤーが大量に押し寄せたら経営側は一晩にして破産してしまうのではないか?しかしそうはならない。かならずカジノ側が勝つ。ならばどうしてゲームに参加して「自分だけは勝てるはず」と思えるのか。

 

例えばパチスロで生活している人がいる。彼らは「設定6だと見極めるためのルール」とか「天井ハイエナを狙うルール」などを考えて収支を綿密に記録しながら戦っている。設定6じゃない台につぎ込んでいい金額を決められるから「トータルで勝つ」ことができる。

負けるプレイヤーは負ける理由があって負けているのだ。開店時から当たり台を探して「当たりだったら閉店まで」「外れならやめてほかの台へ」と行動しているプレイヤーが余らせている台はほぼ確実に「やればやるほど負ける台」のはずだ。サラリーマンが仕事帰りの夕方に遊戯しても「トータルでは確実に負ける」のはこのためである。経営状態のいい有名店に朝から行列ができるのも同じ理由である。

 

株取引にはカジノ経営者のような存在はいないが、「常に勝ち続けるトレーダー」や「毎年収益を得るヘッジファンド」が存在する。彼らは「勝つ方法」を知っているが「次にどうなるか」を知らないのだ。次にどうなるか知らないのに結局は「95%の負けトレーダーの資金を奪う」ことができる。株を買って売ることと「負けトレーダーの資金を奪う」ことは、バットを振ることと試合に勝つことぐらい違う。

 

「ゾーン」は名著である。真実を記している。

 

マーケット(例えば東京証券取引所)はトレーダーに恨みはないし損させてやろうとは思っていない。もちろん利益を配ろうとも思っていない。だから「クソッ」とか「リベンジだ!」とか「お願いします儲けさせてください」とか思っても無駄なのだ。すべて自分でやっていることで儲かったり損したりするのだ。自分の行動は自分の心が原因だから、「心がどうして結論を下すのか」を分析して理解することはとても重要なことだ。なぜ期待するのか、なぜ恐怖するのか、その結果が「株で大損」ならば研究するべきだ。 

 

株で簡単に儲けるためには地味で面倒で退屈でイライラする作業をしなければならない。だがそれだけで儲かる。 チャンスは平等にあるが努力はいくらでも重ねられる。

 

追伸

この本はこのブログのアフィリエイト収入で買いました。お金ください。 

ゾーン ? 相場心理学入門

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ゾーン ウィザード・ブックシリーズ

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ゾーン ──勝つ相場心理学入門 [MP3版] (<CD>)

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